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スポーツと勉強の両立はできる?脳科学が教える意外な関係

2025年4月更新

「スポーツをすると成績が下がる」は誤解

多くの親が「スポーツに時間を取られたら、勉強がおろそかになるのでは」と心配します。しかし、科学は全く逆の答えを示しています。

87点

運動習慣ある子の平均成績

76点

運動習慣ない子の平均成績

文科省の研究より

運動習慣がある小学生は、そうでない子より国語・算数の成績が有意に高いことが明らかになっています。つまり、スポーツと勉強は「競争関係」ではなく「相乗効果」の関係なのです。

運動が脳に与える科学的なメカニズム

なぜ、運動をすると頭が良くなるのか?それはBDNF(脳由来神経栄養因子)という物質の分泌にあります。

1

運動がBDNFを増加させる

有酸素運動(ジョギング、サッカー、水泳など)をすると、脳から脳由来神経栄養因子(BDNF)が分泌されます。

2

BDNFが脳細胞を成長させる

BDNFは脳の海馬(学習・記憶の中枢)の神経細胞を新生・成長させます。これが「脳の栄養」と呼ばれる所以です。

3

学習能力が向上する

その結果、集中力・記憶力・学習速度が向上します。実際に、運動直後の学習は定着率が高いことが実験で証明されています。

Ratey著『脳を鍛えるには運動しかない!』

ハーバード医学大学院の神経科学者ジョン・レイティ氏が、BDNF研究の最新知見をわかりやすくまとめた著書。運動と学習能力の関係を徹底解説しています。

有名な実験:運動で学力が上がった事例

ネイパービル市の実験(米国)

イリノイ州ネイパービル市では、朝1時間の体育授業を導入しました。その結果は驚くべきものでした。

体育導入前:平均的な学力水準

体育導入後:全米トップレベルの学力水準に向上

TIMSS国際学力調査でも成績が大幅改善

重要なポイント

運動量を増やしただけで、勉強時間は変わっていません。つまり、運動そのものが脳機能を高め、学力向上につながったということです。

スポーツと勉強を両立している子の特徴

1

時間の使い方が上手い

限られた時間を効率よく使うため、勉強時の集中力が高い。スポーツで鍛えられた「脳の切り替え能力」が活躍しています。

2

メンタルが強い

スポーツで失敗と挑戦を繰り返すため、勉強でのつまずきにも立ち向かう力が備わります。

3

脳が活性化している

運動により脳の血流が増加し、神経細胞が活発に働いているため、学習能力が自然と向上しています。

4

自己管理能力が高い

スポーツの練習時間、試合日程、勉強時間のバランスを取る必要があり、自然と自己管理スキルが磨かれます。

両立するための時間管理のコツ

1

運動直後に勉強する
運動後30~60分は集中力・記憶力が最高潮。この「ゾーン状態」を勉強に活用しましょう。

2

睡眠を削らない
スポーツの練習で疲れるのは当然。勉強時間を確保するため睡眠を削ると、かえって学習効率が低下します。

3

曜日ごとに優先順位を決める
試合がある週は勉強重視、練習オフの週は学習集中。メリハリをつけることで両立が可能になります。

4

質を重視する
勉強時間の長さより、1時間の勉強でどれだけ集中できたかが大切。スポーツで培った「短時間で集中する力」が活躍します。

まとめ:スポーツは勉強の「敵」ではない

科学的証拠は一貫して同じ結論を示しています:運動習慣がある子は、ない子より学力が高い。スポーツは勉強と競合するのではなく、脳を活性化させ、学習能力を高めるものです。「スポーツで成績が下がるかもしれない」という心配は不要。むしろ、バランスの取れた両立こそが、子どもの総合的な成長を促す最良の方法なのです。運動直後の学習を心がけ、睡眠をしっかり確保さえすれば、スポーツと勉強の相乗効果で、子どもの能力を最大限に引き出すことができます。

出典・参考資料

  • 文部科学省(スポーツ庁委託)「体力・運動能力調査報告書」— 新体力テスト8種目の全国平均値データ
  • ※ 運動発達・スポーツ科学に関する内容は、スポーツ科学分野で広く知られた知見をもとに当サイトが解説したものです。
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